akiko_uk2007-05-19

☆右の写真はホテル玄関にある噴水の中心に立つ天使(?)。良く見ると手に握っているのは・・金魚・・・?






今朝はまず市立図書館を見学。昔の古いお屋敷を使っているこの図書館はEUから建築遺産に認定されており、閲覧室の一部はとても見事な内装のまま残してあります。土曜日だからなのか、試験前(?)なのか、図書館はけっこう人がいて、閲覧室にも若い学生さんがたくさん、静かにまじめに勉強している姿が印象的でした。

図書館入り口の近くにEUの地図が貼ってありました。マジャール語の国名が非常に興味深いです!








続いてアンドラーシ大通りのはじっこにあるOmorovicza(オモロヴィーツァ)というハンガリーオリジナルのスキンケアのお店へ。旅行前に偶然、ロンドンのデパートのハーヴェイ・ニコルズでフェアをやっているという記事を見つけ、なにやらお肌に良さそうなスキンケアシリーズだということで、ブダペストの同僚にお願いしてお店のロケーションを確認してもらっていたのでした。
このブランドはOmoroviczaさんご夫妻(写真を見るとまだけっこう若い様子)が始めたそうです。ハンガリー人の旦那さんとアメリカ人の外交官だった奥さんはブダペストで出会い、結婚。ミネラル豊富なハンガリーの温泉がお肌に良い効き目があることに気付き、ブランドを立ち上げることになったそうです。旦那さんはハンガリーの貴族階級の出身であるらしく(苗字はそのまま村の名前だそうです)、奥さんの趣味につきあって道楽で稼業を始めた・・・そんな印象を受けましたが、さすが品物は高級感あります。孔雀の羽をイメージしているというパッケージもオシャレ。はっきり言ってハンガリーの物価から考えるとかなりお高いのですが、スキンケア・フリークの私としてはやっぱり手に入れないわけにはいきませんでした、ええ!デイクリームとしてRefining Moisturiserと、Deep Cleansing Maskをゲットです。特にマスクの方は「泥パック」なんですが、今回訪問したいと思ったものの寒すぎるだろうということであきらめたヘーヴェーズ湖の泥を使っているということで、一気に惹かれてしまいました。
しかし私たちがいる間、お客さんは誰も入ってきませんでした。ヒマだったんでしょうか、中のトリートメント室も見学させてくれました。シンプルできれい、ロンドンの高級サロンにあってもおかしくないような空間でした。応対してくれたお姉さんは、新聞でチェックしたハーヴェイ・ニコルズのフェアのためにロンドンに行っていたそうです。今度はハロッズでもフェアをやるので、その時は連絡しますよ、と言ってくれました。トリートメントもやってくれるそうです。楽しみ〜。
そうそう、Omoroviczaは今度日本でも販売を始めるそうです。とりあえずクリスマスに合わせて、ヘレンドの陶器に入れて。すご!でもヘレンドなしでも十分売れそうな気がしますよ。Luxury skin care products from 'Spa Capital' Budapest - Omorovicza←今日現在、まだcoming soonの段階ですけど。

さて、お買い物をして満足した後は、自由広場方面をお散歩してみました。
この頃には日差しが強く暑くなり、途中見つけたお店で水を購入。そのお店の前にいたら、とってもスタイルの良いお姉さんがローラーブレードで颯爽と登場(←写真)。店先のネギを1本買っていかれました。良い感じのミスマッチです。


自由広場の周りには国立放送局、アメリカ大使館など。ご他聞にもれず米大の警備はけっこう厳重でした。それから郵便貯金銀行の建物を外から眺めました。ここは屋根が陶器でできているそうで(それは少し離れないないと見えませんが)、入り口もちょっとアールデコ風で、きれいでした。今は隣の国立銀行の一部として使われているのかなと思われました。



そのまま聖イシュトヴァーン大聖堂の前を通り抜け(ちょうど結婚式をやっているようでした)、地下鉄に乗って、リスト広場へ。ここで連れの友人の大学の先輩&その彼女と待ち合わせ。近くでごはんを食べた後、また歩いてオペラ座の隣のカフェ「カラス」でビールを飲みながらおしゃべり。そういえばつい最近フランスの大統領になったサルコジ氏の両親はハンガリーの出身だそうで、サルコジ氏もここハンガリーでは人気があるそうです。マジャール語だと「シャルコジィ」(シャにアクセント)という発音になるそうですよ。
←ここのカフェは内装がとってもシックで素敵でした。

先輩はウィーン在住の日本人、彼女はハンガリー人。とってもかわいい女性でしたー。







これからドライブに行くというカップルを見送った後、そのままアンドラーシ大通りを歩いて「恐怖の館」博物館へ。第2次世界大戦の頃はハンガリーナチスの本部として、戦後の共産主義時代には1948年から1953年まではハンガリー国家保安局(ハンガリーKGB、秘密警察)の本部として使われた建物で、特に国家保安局のわずかな年月の間に、非常に多くの人が逮捕・収容され、拷問を受けたり死刑された、忌まわしき記憶を持つ建物といえます。現在は建物の歴史をハンガリーの歴史とからめて、わかりやすく、インパクトある展示で、悲しい過去を正面から見据えています・・・。
そう、インパクトある展示。けっこう上手なんですよこれが。とってもモダンだし。いいキュレーター使ったんでしょうね。入り口の正面にまずハンガリーナチスの矢十字と、共産主義の☆のマークが切り抜かれた赤と黒の大きなパネルがバーンと目に飛び込んできます。受付で入場券を買い、展示エリアに入って最初に目にするのは、中庭の池の中に立つ戦車。でもこの池、水ではなくて石油であるようです。さらさら透明な水ではなく、黒いトロトロの水(だから石油なんだって)、というところが、この場所のおどろおどろしさとマッチしている感じ。どおりで臭いが鼻をつきます。
展示は上の階から始まり、下に降りならが見てゆくようになっていて、最後は地下。この階には牢屋や拷問・死刑が行われた場所で、小さな牢が並んでいる廊下も歩けるようになっているのですが・・・重い空気がたちこめるそのエリアには、怖くて足を進めることができませんでした。閉館時間とともに追い出されてから気付いたのですが、外の壁には、ここで亡くなった方々の名前と写真が埋め込まれていました。20代30代で亡くなった方がとても多いのに驚きます。
それと、展示の説明はほとんどマジャール語のみ、英語のガイドは各部屋に置いてあるものの必ずしもダイレクトな説明ではなかったりするので、きっとマジャール語がわかる人に比べたら受けたショックは何分の一かに減らされていると思います。それでも十分に重みが伝わってきました。犠牲者の写真、ショッキングな映像を理解するのに言葉は関係ないのでしょう。人間はどうしてこうも愚かなまでに残酷になれるのか、考えさせられました。
あと、残念ながら内部は「撮影禁止」だそうで、友人が知らずにカメラを構えたら、怖そうなおっちゃんにしっかり怒られてました。なんでダメなのかしらね。
外に出て、ちょっとベンチに腰掛けて気分を落ち着けてから、いざ夕飯へ(さすがの「恐怖の館」も食欲にはダメージを与えることができなかったようです)。

再び地下鉄に乗って英雄広場の近くまで行き、一昨日の晩に見かけたレストランへ。いやー、ここ超ヒット。美味しく洗練されたお料理でした。地下鉄ホーショク・テレ駅から地上にあがってすぐ、英雄広場に向かって左手の角にあるお店です。

おまけ。町を歩いていたら「Rothchild Szupermarket」なるお店を2軒見かけました。これってあのロスチャイルドまたはロスチルド家と関係あるんでしょうか。(右側の白い看板のお店がそれです)