バービカン・センターで『Japanimation』シリーズを開催中。
単にアニメ映画を上映するだけでなく、テーマに沿って上映前に研究者がレクチャーを行うという構成です。
前々から見たいと思っていた『パーフェクト・ブルー』(今 敏/ 1998)の上映を31日に見ました。上映の前にヘレン・マッカーシー(「Anime UK」「Manga Mania」誌の元編集者)という小柄なおばちゃんが、監督がこの映画を作るにあたって影響を受けたというヒッチコックの『めまい』と、ブラピとモーガン・フリーマンが主演した『セブン』を引用してのレクチャーでした。『めまい』は普通の人が強烈な事件のトラウマによって人格が別のものになり、殺人鬼へと変貌するという点、『セブン』は殺人と人格形成との相関関係という点において、『パーフェクト・ブルー』と共通しているということ。テーマだけでなく、ビジュアル的にも引用されていて、例えば屋根の上の追跡シーンは『めまい』のそれとかなり似ています。
パーフェクト・ブルー』は、映像的にもストーリー的にも、アニメ映画に期待されがちな甘さがなく、生々しくて現実味がありますね。殺人シーンやエミちゃんがガラスに刺さってしまう場面になると会場から「うぅ」というため息のような声が一斉にあがったほどでした。でもPCやネットの扱いはすでに時代を感じさせるもので笑いがおきていましたが、当時にしてみたら相当進んだ知識を投影されたのではないかと思われました。
お客さんは95%が非・日本人でした。若い人が多かったかも。平日の夜、小さい劇場ながら、ちゃんと満席でした。
しかし、エミちゃん、怖いっすね。