甘い生活

このところ、年末のイタリア旅行に備えて、塩野七生さんの『ローマ人の物語』27巻・28巻を読んで、古代ローマのインフラについてちょっと勉強したり、イタリア映画のDVDを見たりしています。
その流れで、フェデリコ・フェリーニ監督の『ラ・ドルチェ・ヴィータ甘い生活)』のDVDを見ました。もう7,8年は前だったような気がしますが、東京で朝日新聞社フェリーニ特集をやっていた時、1本だけ見た作品がよりにもよって『ソドムの市』、なんというか「衝撃」というよりは「過激な不条理」の世界が「だめだこりゃ、ついていけん」という感じで、それ以来フェリーニと名のつくものは敬遠しておりました。
そうはいってもやっぱり有名な『甘い生活』、マルチェロ・マストロヤンニ主演だし、あれから私もちょっとはオトナになったし(?)、大丈夫かも、と思って見てみることに。
で、私の感想は3つ。
①冒頭のシーンで、ちょうど勉強中の古代ローマの水道橋跡が背景に出てきます。崩れた箇所からは水道管の断面もばっちり見えています。作品とは究極的に関係のないところで大感激。
②パパラッチの語源を知った。主人公マルチェッロが時々「Hey, Paparazzo!車を回してくれ!」などと声をかけるカメラマン兼パシリの若い男性がいるんですね。その男性は大抵カメラマン仲間と一緒にいて、スターの乗った車があればスクーターに飛び乗って追っかけたりするのがまさに現代のパパラッチと一緒、最初は「へぇ、当時からパパラッチって呼ばれてたのかぁ」と思ったのですが、どうもひとりの男性の名前らしいということに途中で気付きまして。後でWikipediaで調べたら、この劇中の登場人物パパラッツォの名前が、いわゆる私たちが一般的に想像する、カメラを持って執拗に獲物を追いかけるパパラッチ、ダイアナ妃の乗った車がパリで事故った原因のひとつと言われるパパラッチの語源になったそうです。PaparazziはPaparazzoの複数形なんですね。しかし個人的にはパパラッツォさんという名前の人とお会いしたことはないです。
③やっぱり不条理劇だった。わかりやすい起承転結もなく、「え、ここで終わるの?」というエンディングでした。
ごめんなさい、フェリーニ・ファンの方が聞いたら黙っちゃいないような感想ばかりですが、思ったことを正直に書いてみました。