英国の諜報機関

akiko_uk2006-11-05

昨日Language Showについて書きましたが、ブースを出している中でも地味ながら異色で目に留まったたのは、SIS(Security Intelligence Service)とMI5とGCHQ(Government Communications Headquarters) が、共同でブースを出していたことでしょうか!
ブースはいたって地味なものでしたが、少し話を聞きに行ってみたところ、終了時間前なのに帰り支度をしているスタッフ(あまりやる気はない?)に全部ウェブサイトに書いてあるからー、とあしらわれかけました。それでも聞いてみると「英国に10年以上住んでいて英国籍のある、外国語ができる人を募集している」とのこと。すごいですねー、こんなところでも宣伝するんですねー。ブースには大きな宣伝ボード(☆写真がそれです)が置いてあり、色々な言語の名前が原語で書いてありましたが、なぜかそこには日本語は入っていませんでした。韓国語と中国語はあったけれど。「彼らが帰った後で日本語も書いておきましょうかね!」なんて同僚と冗談を言っておりましたが、セキュリティに関しては日本語の需要はそれほどないということでしょうか。
ちょっと気になったので、それぞれの団体のウェブサイトを見てみました。
GCHQは「intelligence and security organisation」で、「we provide information to support Government decision making in the fields of national security, military operations and law enforcement」と同時に、政府機関の情報セキュリティと国内のインフラ防衛も重要なミッションであるそうです。
SISは「SIS operates world-wide to collect secret foreign intelligence in support of the British Government's policies and objectives」で、つまりMI6のことなんだそうです。MI6とはあくまでも通称だそうです。ジェームス・ボンドでも有名なMI6、その活動は海外が中心であり、外務省の管轄下にあるそうです。
MI5は正式名称が「The Security Service」で、「We are responsible for protecting the country against covertly organised threats to national security」であり、内務省主管の独立機関であるとのことです。 ちなみにMI5は、BBCの人気ドラマ「Spooks」の舞台になっています。
そもそも「MI」というのは、第1次世界大戦の頃にあった諜報機関の通称Military Intelligenceから来ているようで、当時はMI1などと呼ばれていたそうです。
MI5のウェブサイトのFAQ(よくある質問コーナー)を見てみると、「MI5MI6の違いは何ですか?」が第1問に来ていてちょっと笑えました。私のような初心者が聞きたい質問は同じなんですね。答えはだいたい上に書いたようなことでした。第10問が「どうやったらMI5のエージェント(諜報員、スパイ)になれますか?」で、答えがまた興味深い。「まず第一に、職員はエージェントとは呼びません。」となっていて、いわゆるエージェントとは正規の職員ではなく、秘密の情報筋のことを指すのだそうですよ。
でもって、こういう団体がLanguage Showなんていうかわいい(?)イベントにもちゃんとブースを出すっていうのがまたすごいというか、懐が深いというか。感心してしまいました。
以上、個人的に面白かったので書いてみました。知っている人はとっくに知っている基礎情報かもしれませんが、あしからず。
しかし、似たような組織が3つもあって、諜報活動にこれだけ長い歴史があるということは、やはりそれだけ国家の運営に欠かせないものなのだなということが感じられます。大丈夫なんでしょうかね、日本は。こういう組織が全然ないままで。

リンクは以下のとおりです。ご関心があったらどうぞ。
GCHQ GCHQ
SIS(MI6) http://www.mi6.gov.uk/output/Page79.html
MI5 http://www.mi5.gov.uk/output/Page2.html