Open House London その2

akiko_uk2006-09-17

昨日に続いて今日もオープンハウスへ。
色々迷って、今日は地元の建物を見ることに。
で、昨日買ったオープンハウスのカタログを見ていてはじめて気付いたのですが、他の行政区boroughと違い、今住んでいる行政区(Royal Borough of Kensington and Chelsea)だけ「Royal」ってついているんですね。ケンジントン宮殿があるからでしょうかね。バッキンガム宮殿のあるエリアは別の行政区のようです。

選んだのは、スローンスクエアにあるデパートPeter Jones。日頃からお世話になっているのですが、今日はお買い物じゃないですよ。ここもオープンハウスをやっているひとつなのです。
ここはツアーに加わらないと見て回れないと言われ、整理券をもらって3時からのツアーに参加することに。集合場所となった1階の「包装カウンター」前に集まってきたのは、オープンハウス巡り経験も豊富そうなおじさまおばさま。平均年齢50代と見ました。
時間がきて、ツアー出発。まず建物の外に出て外観を見ながら歴史の説明。(Peter Jonesはちょっとゆがんだ船のような形の建物で、船首がSloane Squareスローンスクエアに接し、船体をKing's RoadキングスロードとSymons Stサイモンズストリートに挟まれ、船尾がCadogan Gardensカドガンガーデンズに接している、と言えます。)現在でこそPeter JonesはJohn Lewisの傘下に入り、同じ百貨店の支店という感じですが、元々はPeter Jonesというカーテンや生地の専門店だったそうです。営業を始めた1890年代はキングスロード側の建物だけで、サイモンズストリート側は別の建物。更にカドガンガーデンズ側にある建物はもともとオーストラリア人芸術家の個人宅で、採光のため普通の家にはめずらしく大きな窓がついているのが現在も残っています。年月をかけて敷地を広げていった様子がよくわかります。ひとつの建物に見えるのに「ここからここまでは1890年代、ここは1930年代」と分けられるのって面白いですよね。よーく見ると継ぎ接ぎなのがわかりますし。John Lewisが傘下に収めたのは戦後のこと。200万ポンドを現金で持参して買い取ったとか!
またスローンスクエアに面した角には昔パブがあり、ある時Peter Jonesが買い取った後もそのままパブとして営業していて、パブの売り上げが生地屋のそれを上回った年もあったそうです。また、そのスローンスクエアに面した入り口の近くには螺旋階段がありますが、その位置にはもともと井戸があったそうです。
キングスロード側の入り口にも螺旋階段がありますが(ふたつの螺旋階段は共にListed=歴史的建造物に指定)、そこにある木のようなかたちのオブジェはモリ・ジュンコさん作なのだそうで、もともとこの位置には時計があったことから、オブジェの一部が時計になっているのです。今まで全然気づきませんでした。
キングスロード側の壁は英国初のcurtain wallingだとか。curtain wallingとは建物を支える役目を持たない壁、だそうです(あってるかな?)。
その後、5階のカフェに行って風景を見た後(このあたりには他に背の高いビルがないので、遠くは北のウェンブリースタジアムまで見えます)、屋上の社員専用エリアも見学。広いルーフテラスからは素晴らしい眺め。いつも歩いている通りを上から見るのは面白いものです。
最後に会議室のようなところに行って、ドリンクサービス(これはオープンハウスの中でもめずらしいのでは)。ここでは2001〜2004年にかけて行われた大規模改修工事の様子がビデオで流れていました。そういえば私がロンドンに来て今の家に落ち着いた直後から、色々な物を買い揃えるのにPeter Jonesにはお世話になっていましたが、その頃「改修が終わりました!」って書いてあったような記憶があります。そんなに長い間工事をしていた、その直後だったとは知りませんでした。現在の1階から最上階までの吹き抜けやその一部にあるエスカレーターなどは、全部その時にできたものだそうです。
30分くらいで終わるのかなぁと思っていたら丸々1時間かかりました。車椅子のおばあちゃまが参加していたため歩みがゆっくりだったということもありますが。もっと早くに行動を開始していれば、もう1〜2ヶ所は見れたかもしれないけれど、なかなか面白かったし、良しとしましょう。


社員専用テラスからキングスロードを見下ろす