またしてもテロ(未遂)

10日(木)の朝、テレビのニュースをつけたら、英国発アメリカ行きの旅客機を狙ったテロ計画があり、米英両国のセキュリティが最高レベルに上げられたという例のニュースが特別報道体制で伝えられていました。
現在までのところ、計画に関与したとされる英国人24名が身柄拘束されているそうです。テロは地上ではなく飛行機の空中爆発が目的だったといわれ、対象として狙われたのは、英国発でアメリカの複数の都市に向かう旅客機10機といわれ、コンチネンタル、アメリカン、ユナイテッドの米国の航空会社が狙われたという話も流れています。また、今回は「液体状の爆発物」が発見されたらしく、機内に持ち込める手荷物に対して非常に厳しい規制がしかれているようです。

以下、日本航空のウェブサイトにわかりやすくまとめられていたのを引用させていただきます。


【対象便】
イギリス国内空港を出発する全便 (国際線、国内線とも)
※ロンドンヒースロー到着後、お乗り継ぎのあるお客様も同様となります。


【お願い】
機内への手荷物持ち込みが原則不可となります。 <衣類ポケットへの携帯も不可>
搭乗手続きの際、お預けの手荷物に収納いただくようお願いします。

例外的に以下のお荷物については機内持ち込み可能ですが、その際は透明なビニール袋への収納が必要となります。

【機内持ち込み可能な手荷物について】
  * ポケットサイズの財布とその内容品(現金、クレジットカード、身分証明書など)<ハンドバックは不可>
  * 旅行に必要な渡航書類(パスポート、航空券など)
  * 機内で必要な常備薬と医療用品(糖尿病キットなど)。
    ただし液体薬品は内容の確認ができない場合は持ち込み不可。
  * 眼鏡とサングラス<ケースは不可>
  * コンタクトレンズホルダー<保存液は不可>
  * 幼児用ベビーフード、ミルク(同行者の内容物確認が必要)、および機内で
    必要な衛生用品(おむつ、おしりふき、クリーム、汚物入れ袋)
  * 機内で必要な女性用衛生用品(タンポン、ナプキンなど) <箱入りは不可>
  * ティッシュ<箱入りは不可>、ならびにハンカチ
  * 鍵 <電池式キーホルダーは不可>

【その他注意点】
以下についてもご注意ください。
   ※液体類持ち込み不可
   ※携帯電話、iPOD、めがねケースも持込不可
   ※乳母車・歩行器はX線検査を通過しなればならない。
     検査通過時の移動代替手段として空港ビルは車椅子のみ用意
   ※イギリス発アメリカ行き旅客は、上記に加えゲートでも再検査がある
     (1度目のセキュリティー通過後に購入した物品も検査対象)
  
9.11以降もここまで厳しくはなかったですよね!すごいです。
赤ちゃん用のミルクに至っては、同行者(つまり親)に飲んでみせるよう指示しているとか。

朝のニュースでは航空局の人がインタビューに答えて「米英間は1日に合計100便以上の往来があり、ヒースロー空港の利用者はこの時期1日に18万人。このような厳しい措置は可能だとしても1週間が限度」と言っていました。

ロンドン周辺の空港は大混乱・大混雑。国内便、近距離便は軒並みキャンセル。私が乗るピカデリー線はオフィスと反対方向に行くとヒースロー空港に直通なので、今朝乗った地下鉄には、空港から戻ってきたと思われる英国航空の乗務員さんが何人か乗っていたのが印象的でした。フライトがキャンセルになったのでしょう。でも長距離便はだいぶましなようで、今チェックしたところ、夜7時半過ぎ出発のJAL成田行きはわずか10分の遅れだけだったようです。

ちなみに、今朝地下鉄のフリーペーパー「Metro」に目を通したところ、印刷の時点にはこのニュースは入っていなかったようで、関連記事はひとつもありませんでした。ただ、「英国のセキュリティ・レベルは非常に厳しいものになっており、100%の安全を得るためには市民の協力が必要」というジョン・リード内務大臣のコメント記事があって、今回の事件を示唆するかのようなコメントがこのタイミングで出されていたということにどんな意味合いがあるのか、色々想像してしまいます。

また今日会社ではビルの管理会社から2つの通知がありました。ひとつは「テロ未遂事件の発生を受け、ロンドン市内も警戒を強化しています。ビル内で不審人物や不審な行動を見かけたら直ちに警備員に通報して下さい」というもの。そしてもうひとつは「郵便物に見せかけた爆発物(液体状の爆発物を収めた小包)がケンブリッジ市内で発見されました。郵便を取り扱う職員は十分に注意を払ってください」というもの。液体状の爆発物っていうのがどうして急に同時多発しているのか、旅客機爆破計画とどうつながるのかなどはわかりませんが、とにかく事務所内の職員全員に転送して読んでもらうようにしました。

それにしても、この事件の影響で、またしても英国に来る観光客の数が減るのでしょうかね。ロンドン市内で日々の生活は何の変化もなく過ぎていっているのですけれど、外から見ると、ものすごく危険な地域に見えるみたいで。いつどこでテロがあるかわからない、でも危険な目に遭う可能性を排除していくと、もう家にこもってじっとしている以外にないということになりますが、現実にはそうもいかないわけで、やっぱり腹を括って普通に生きていくしかないよなぁ、と思うのでした。