カルチュラル・スタディーズの会議 他

akiko_uk2006-03-18

さて、金曜の午後と土曜終日にかけて開催されたカルチュラル・スタディーズに関する会議。私は結局飛び飛びでしか傍聴できませんでしたが、かなり面白かったです。
2日目午後にはSOASの院生さんが発表した、中国のHanhanizu(どういう漢字か忘れてしまいましたが、韓国の俳優や音楽の熱狂的なファン。少し前の台湾における恰日族(こんな漢字でしたっけ?)と似た言葉だったような気がします)をめぐる考察は、非常に興味深かったです。☆写真はその発表の模様。
また、2日目最後の毛利嘉孝先生の基調講演も。毛利先生のご活躍はアジアセンターにいた頃から存じ上げていましたが、ご本人とお目にかかるのは初めてでした。
また2日間を通じて、カルチュラル・スタディーズの有用性(あるいは無用性)について、議論が度々飛ぶことがありました。カルチュラル・スタディーズと地域研究の関連についても。どちらも「で、それをやって何のためになるわけ?」とつっこみを受けかねない研究分野であることは、ここ数年私も気になっていました。個別の研究発表は面白いけれど、それが何か実用的な意味を持つものであるのか。そもそも研究とは実用的でなくてはならないのか。カルチュラル・スタディーズと地域研究は同列に並べられるものではありませんが、どちらも、対象となる国や文化に対する理解を深める作業をする専門家の活動であって、そういう活動のひとつひとつは、その国や文化に対する理解の基盤を作り固める地道な作業なんだと思います。同時に、同じ人間として異なる文化に属する人の行動や心理を知りたいという純粋な欲求を満たす作業でもあるでしょう。
すみません、なんだか中途半端な批評にも満たないことをつらつらと書いてしまいました。会議を聞きながら取ったメモが今手元にないものですから、後で補強したいと思います。

会議が終わった後は、まったく別件のご出張で来英中の、竹田いさみ先生(獨協大学)と夕食をご一緒しました。竹田先生にはアジアセンター時代に、担当していた事業を通じてとてもお世話になりました。あちこちを飛び回っていらっしゃるようで、相変わらずなんてフットワークの軽いこと。新刊の『国際テロネットワーク アルカイダに狙われた東南アジア』(講談社現代新書)をいただいてしまいました。