カルチュラル・スタディーズの会議

3月17日午後から18日終日にかけて、ロンドン大学Birkbeck CollegeとGoldsmiths Collegeの共催で、東アジアのカルチュラル・スタディーズに関する国際シンポジウムがありました。
本当はうちの事務所のホールを利用することになっていたのですが、当初の見込みよりも多数の参加申し込みがあって、会場に入りきらないかも!ということなり、Birkbeckのレクチャーホールへと会場変更が決まったのは、会議の1週間前でした。
この変更は、個人的にはかなりショックだったんです。
この会議を実質発案・企画したBirkbeckの先生と去年の秋頃にランチをしたのですが、2006年3月に日本からカルチュラル・スタディーズの分野で著名な先生2名をBirkbeckが特別講師として招待するという話しが出て、「その時はうちでも何かやらせてほしいです。しかも単なる講演会じゃなくて、なんかもっと面白いことやりたいですね!」と話したところからこの会議の企画が生まれた、ということだったんです。加えて、ロンドン大学の施設は、たとえ学内の事業であろうと会場借料を支払わなければなりません。理不尽なことだと常々思うのですが。だから自然の成り行きとして、我々が会場を提供することになったわけなんですが。うちは今のところ場所貸しも無料ですから。
もちろん、予想より多くの人が関心を持ってくれたということは、企画のタイミングが良かったということでもあり、会場を移さなければならなくなったなんて「うれしい悲鳴」でしょう。でも、表には出てこないことですが、会場変更の理由はそれだけではなかったと思います。
まず、会場を提供するという判断は、事務所内で私が中心になって決めましたが、今年に入ってからの事務的な打ち合わせの段階に入ると、日本研究担当のローカルスタッフにリードを渡した恰好になっていました。でも、本当のところ、彼はこの会議を支援することにそれほど乗り気ではなかったようです。なぜって・・・・・面倒だから。誰もうまく使いこなせていない音響機材、人の出入り(うちの事務所は土日になると正面玄関が閉まってしまう普通のオフィスビルの中に入っているので)、ケータリングの手配。色々心配しなくてはならないことがありました。加えて予算が極めて限られているという現実。
私は、それら問題も解決できると思っていました。ところが、会場のセッティング(余分な机を別の部屋に運んだり、100個近い椅子を並べたりする作業)もしなくちゃいけないね、Birkbeckの若い学生さんとか手伝ってくれないかな、という話しを軽いノリでローカルスタッフとして、彼がBirkbeckの先生にそのことを確認するメールを出したところ、ただでさえ日本からのゲスト先生を迎えてキリキリ舞いだった先生に必要以上に強いインパクトを与えてしまったようなのです。「会場設定まで自分たちでやれというのですか?そんな人手はありません!どうしてもと言うなら会場変更を考えざるを得ません。」という返事が届いていて、もう私はビックリ!そんなつもりじゃないということをフォローしておくようローカルスタッフに頼んだのですが(色々な人が入り乱れるより、連絡ルートを統一しておいたほうがいいと思ったので)、彼はそれをその日のうちにしませんでした。そして翌朝、先生から再度メールが来ていて、「昨晩Goldsmithsと緊急会議を開いた結果、残念ですが会場をBirkbeckに変更することに決定しました。参加希望者が予想より多く、会場に入りきらない可能性もあるので。」とのこと。ビックリしてローカルスタッフと話したのですが、彼は「これが最善の解決策だよ」としたり顔で言うだけです。その態度に超むかつきました。「昨日のうちに、フォローしてくれてなかったの?」と聞くと「いや、しなかったね」と開き直ってます。
けれども、これは自分にも責任の一端があります。うちのローカルスタッフにやる気を持たせることができなかったこと。もっと早い時期に細かい段取りを決めるべきだったこと、関係者の不安を解消する配慮が必要だと気づくべきだったこと。

他の事務所と違い、うちは自前のイベントがそう多くありませんから、イベント実施に関する自分の勘がかなり鈍ってきていることにも気づきました。
いい勉強になりました。次回このようなことがあった時に、この経験を役立てましょう。会議そのものについては、また明日。