靴修理

akiko_uk2006-03-08

☆写真は、ストラスブール。橋というか通り抜けられる水門の向こう側がPetites Franceという場所です。壁の風合い、年季の入った看板。ちょっと味のある風景かなと思いました。

磨り減ってきたブーツのかかとを取り替えてもらうために、オックスフォード・サーカス駅構内にあるShoe repair shop、いわゆるミスターミニットのような靴修理のお店へ行きました。改札を出てすぐ、外に出る階段のふもとに靴修理屋さんのカウンターがあります。
履いていったブーツをその場で直してもらうため、出来上がるまでの間、バーの一人がけ椅子さながらの高い椅子に座ってお店を観察してみました。

けっこう繁盛しているらしく、男性が4人くらい一度に働いています。所々分業もしているようです。みんな手を真っ黒にして、ほとんどおしゃべりもせず、黙々と靴を修理していきます。
ところで、ここオックスフォード・サーカスは、ロンドンでも最も大きな繁華街のひとつ。しかもどっちかっつーとおのぼりさんが多くて垢抜けないエリアというイメージがあります。それだけに、というべきか、この靴修理屋も殺風景そのもの、お客に対する気配りもほとんどゼロです。もっとも、ロンドンで日本のような心配りを期待するだけ無駄とも言えますが。その証拠に、カウンターの向こう側にお客がいようがいまいがお構いなく、修理中の靴(もちろん私の靴ではないものも含め)をカウンターにドン!ドン!と置いていきます。しかも靴の裏をこっち側に向けて。乾かすために置く場所が必要なのかもしれませんが、目の前に人様の靴の裏側が放り出されると、ちょっとたじろぎます。
もちろん日本の修理屋さんのスリッパサービスなんてありません。駅構内といってもここの駅の改札前スペースはそんなに広いわけではなく、更に階段の上り口の真正面にあるので、人ごみのすぐ脇で靴を脱いで足をぶらぶらさせながら高い椅子に座って待つのは、やや落ち着かない感じではあります。特に今日のように雨の日には、床も泥汚れが目立ちます。できることなら靴下の状態ではタッチしたくない床です。
でも、目の前で作業していたお兄さんの働き、感心して見とれてしまいました。なぜって、かかとが斜めに磨り減ったブーツ(私のじゃありません)を平らにする作業がものすごく手際良かったからです。時々いますよね、外側とか内側に向かって斜め磨り減ってしまう癖のある歩き方の人。どんな作業だったかというと、まず斜めになった所に厚さ7ミリくらいの木の板のようなものを当てて、パツンパツンと空気銃のような鋲止めを打って固定させます。次に小さなナイフで、大まかにかかとの形に合わせて切り取ります。それを今度は研磨機(っていうのでしょうか)で何通りか削っていって、再びドン!と私の目の前に置かれた時には、接ぎ木の色こそ際立っているものの、完璧に元通りのかたちを取り戻したかかとになっていました。この間わずか数分。鮮やかな手さばきに思わず見入ってしまったわけです。職人芸の世界ですね。若いのに、やるのぉお主、と心の中で褒めておきました。