ロイヤル・バレエ

夜、コベントガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスにてロイヤル・バレエ団の公演を鑑賞。知り合いの藤原さんに誘われ、吉田都さんを応援する会の一員として参加した。
藤原さんは、偶然にも妹の元上司であり、ご主人でロシア史がご専門のLSEのLieven教授とはロンドンに来てから基金の助成事業を通じて知り合いになった。ロンドンに来てから、ご自宅に招待して下さったり、色々と気にかけていただいている。
吉田都さんは、バレエ団のプリンシパルという栄えある立場にいらっしゃる。でも英国のバレエ団にいてその立場を続けられるのは、想像を絶する努力と、類稀なる才能の賜物に違いない。
演目は『Les Rendezvous』『La Sylphide』。
http://info.royaloperahouse.org/Calendar/Index.cfm?cls=98&cl=6441&cDay=21&cWeek=0&cMonth=10&cYear=2005&atf=up
吉田さんは『Les Rendezvous』の主役だった。私は初めて観る演目だが、1900年代初頭くらいだろうか、公園に集い交歓する若者たち、という設定らしい。従って群舞が多いのだが、うーん、床の材質のせいもあるのか、私はどうもダンサーたちの足音が気になって仕方なかった。手足がスラーッと伸びて顔が小さいダンサーたちは本当にきれいで、「やっぱりバレエって西洋のものなんだ」と思わずにはいられないのだが、これでドタドタ音さえなければもっと良いのに・・・。14人くらいのダンサーが一度に踊る時など、ドタドタ音はほとんど昼休みの体育館状態だ。
そんな中にあって、吉田さんだけはステップがとても軽やかだ。手足の先まで神経が行き届いて完璧なポーズの連続。とても素敵だった。
私はそれほど頻繁にバレエを観ないのだが、『La Sylphide』は一度日本で観た。演出や舞台装置によって全く異なる舞台になるものなのだなぁということが今更ながら実感できた。日本で観た時は、後半の森のシーンなどは眠気が誘われるほど幻想的だったが、今回はそれよりも単純な展開に思えた。でもシルフィード役のダンサーは見事なプロポーションで、膝下丈の真っ白なドレスを纏って踊る姿は、それはそれは優美だった。
公演の後は、吉田さんを囲んでお食事会。30人ほどの日本人が集まった。顔見知りの方も何人かいらっしゃった。私は「若い人用」のテーブルに座ることに。ほとんど全員が初対面の20〜30代の人ばかりが10人いた。驚いたことに、現在サバティカルでLSEに在籍している学習院大学の勝尾さんという女性は、いとこの鈴子ちゃんの親友であった!こんなところで会うなんて〜!とお互いに喜んだ。職場も近いし、また一緒にごはんでも食べましょうということになった。
吉田さんは他の2テーブルを回っていらした後、私たちのテーブルにはデザートの頃に座ってくださった。近くでお会いすると、ほっそりとして小柄な女性だ。大きな目が印象的。言葉数が多いほうではないが、人の話を聞いて一生懸命答えを考えていらっしゃる様子にとても好感が持てた。そういえば今年ご結婚されたのだそうだ。