鴈次郎レクチャー@大英博物館

中村鴈次郎さんのレクチャーを参観するため、今晩大英博物館へ行った。
11日まで開催中の『Kabuki Heroes』展と合わせるタイミングで、鴈次郎さんに来英いただいたもの。このレクチャーの開催も基金が共催者として協力している。
博物館内には小劇場もあり、そこが今回の会場となった。
まず鴈次郎さんの踊りを拝見する。日本ではこんな至近距離で拝見する機会はほとんどないに等しい。それにしてもなんと優雅な女性に見えることか。一見動きが少なくても、本当は相当難しいポーズの連続だったりすることが改めてわかる。たいへんに興味深い。
その後は、前回来英された2001年当時に作成されたドキュメンタリー番組を鑑賞。当時は、ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場以外にも、シェークスピアのグローブ座、そしてマンチェスターでも公演があった。鴈次郎さんの深い思い入れがあって選ばれた場所である。東洋のシェークスピアと呼ばれる近松門左衛門の作品を上演する近松座のお方として、シェークスピアゆかりの劇場に立つことは夢だったとのこと。そして2001年当時から30年前に、サー・ローレンス・オリヴィエの出演する『ヴェニスの商人』を見にはるばるマンチェスターオペラ座まで行き、公演後に楽屋でサー・ローレンスと会話をし激励されたとのこと。
番組が終わると、トークの時間。近松の研究もなさっているSOASの先生が司会兼通訳となり、色々な質問が出た。
12月に坂田藤十郎を襲名される鴈次郎さんは、とても73歳とは思えないほど、しゃきっと、そしてつやつやとされていた。坂田藤十郎の名前が継がれるのは、実に231年ぶりなのだそうだ。