大英博物館「歌舞伎」展

akiko_uk2005-09-04

☆写真はまたスイス。ローターブルーネンから登山電車でユングフラウに向かう途中、遠方にいくつもの滝を見た。これもそのひとつ。というか、見づらいが正確には3つ写っている。そして遠方にはユングフラウヨッホの白い山肌。でもこれ、9月1日の写真とほぼ同じ景色でした。


9月11日までと期日終了もせまった『KABUKI HEROES on the Osaka Stage, 1780-1830』(日本人の間では略して「歌舞伎展」)を見に大英博物館へ行った。
この特別展は基金も助成している。
単に歌舞伎の衣装や関連グッズを展示していると思ったら大間違い。ほとんどの展示を、18世紀末から19世紀初頭にかけて、当時の歌舞伎界を席巻した大スターの二代目・嵐吉三郎(璃寛)と三代目・中村歌右衛門芝翫)にまつわる様々な浮世絵や絵本を展示し、それぞれがどのような理由で人気があったか、どのような役を得意としていたか、RikanとShikanの二大ヒーローの華麗なバトル、という構図を浮き立たせた構成にしていた。男役しか演じず、生涯上方から離れなかった、男前で硬派なRikanは、商売上手で十二変化の浮世絵が出回るほど多彩な役作りで人気を博し、江戸公演を3回も打ったShikanのことが好きではなく、決して同じ舞台に立とうとしなかった、とか、現代の外国人から見ても非常にとっつきやすい切り口を提供していると思う。
また、このふたりを含む何人かの役者の辞世の句が書かれた浮世絵(着物の柄や手に持つ花が必ず蓮である)や、贔屓衆が目いっぱい着飾った絵など、日頃見る機会のないたくさんの絵を鑑賞することができた。
とてもよく練られた見応え十分な企画展である。機会がある方にはご覧になることをお勧めしたい。
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