ちょっとお休み

今日は体調不良につき仕事を休む。どうにもだるくて頭が重い。寒くなったり暖かくなったりと、このところの三寒四温な天候不順のせいかと思う。
そして今日は終戦60周年の記念日。英国ではVJ Dayとしての認知度が高い。Victory against Japan。この1週間は、「ビルマで日本軍の捕虜になった英国人兵士がいかに残酷な仕打ちを受けたか、そして現在の彼らは」という内容の特集がBBCのニュース枠で組まれたりしている。イベントとしては、6月のVE Day (Victory in Europe Day)と今日との間をとって7月に開催された記念式典がたいへん盛大で華々しいものだった。戦争博物館では特別展が開かれ、トラファルガー広場では退役兵を大勢招待して劇あり歌ありの式典が開かれ、バッキンガム宮殿前の通りが人で埋め尽くされていた。テレビでそれらを見て、あそこに入ってゆく気にはなれないな、と思った。
そういえば春には、退役軍人関連の団体から『我等英国の自由を守るため戦争で戦ってくれた人たちに、あなたも感謝のメッセージを送ってください!メッセージカードは7月のイベントの際にトラファルガー広場に飾られます!』というDMが届いた。三角形の紙で、表はユニオンジャック柄とVの字、裏がメッセージ記入欄になっていた。終戦をこんな風にお祝いするものなのかと驚いた。
8月15日といえば、夏の暑い最中に日本が戦争に負けた日。戦没者慰霊の式典で黒い服装の人たちが静々と献花をしたり非戦の誓いを述べたりするのをテレビで見る日。私の中ではそういうことになっていた。でも彼らにとっては、単なる終戦ではない、戦勝記念日なのだ。だから華やかに着飾り歌って踊って祝うのが当然なのだろう。
戦争の後、勝った方は戦争を正当化して様々な美談を繰り返し国民の意識に刷り込む。負けた方は、その戦争にまつわる悪のすべてを背負わされる。それが戦争だと言われればそうなのかもしれない。でも、どちらか一方だけが100%悪かったと言えるものだろうか。戦勝国と敗戦国の両方で、戦争を始めたすべての人に責任があり、戦争状態に投げ込まれたすべての人が何らかの不幸を負っている。国籍は関係ないと思う。