ウィンブルドン／日本人同士って・・・

PCがぶっ壊れた直後の6月後半、ウィンブルドンのテニストーナメントを見に行ったことを書きましたのでよかったら読んでください。
ウィンブルドン - akiko_ukのロンドン日記

杉山選手の試合を見ていた観客の多くは日本人だった。
外国の町を歩いていて日本人に会うと、ほとんど外見だけで「あ、この人日本人だ」とわかることが多いですよね。たとえ周りを中国人や韓国人に囲まれていたとしても、日本人だけは素早く見分けられてしまう。特に女性がわかりやすい。それはなぜか。①ロンドンにいる数多の外国人の中でも、いやイギリス人と比較しても、日本人女性ほど服装もメイクも髪型もスキのない身だしなみをしている人は他にいない。イギリスにいて、ほんとの普段着カジュアル（カジュアル風おしゃれとは似て非なるもの）や自分の外見に対する他人の目を気にしない加減に慣れてくると、自分に対するお手入れが半端じゃない日本人が目立って見える。そして②カバン斜めがけ率８０％、③縦にも横にもボリューム感いっぱいの西洋人と比べて華奢で、④たいていは2人以上のグループで歩いている。
最近は日本人と見紛うほどのオシャレな中国人女性もたまに見かけるが（失礼！）、その場合、連れの男性が⑤番目の判断基準になる。オシャレがこなれていなかったり、今時の日本では見かけない微妙なセンスだったり。女性がこんなに垢抜けてるのになんで？と思う時は、非・日本人のことが多い。
ところで、「外国で日本人同士が会っても言葉を交わさない。ほとんどの場合、互いを無視する。」という指摘をどこかで最近読んだのが頭に残っている。自分に当てはめてみてもたしかにそうだ。明らかに電車に乗り合わせただけなのに会話しているイタリア人やフィリピン人などは見かけるが、自分がどこかで日本人とすれ違っても、なぜか目を逸らしてしまう。6月に行ったフランス・ボルドーのワイナリーでは、建物に入ったら日本人2人組が先にいて、狭い空間に私と友人と彼らの4人だけになったにもかかわらず、お互いに一切無視だった。
通りすがりの日本人に対する変な感情は自分のどこからくるのか検証してみる。
他の人はどうだかわからないが、自分は外国に行ったらとにかくでき得るかぎり、その土地に馴染んだ雰囲気を体得することを快しとしているようだ。そんな私にとって、その国の住人であると相手に思い込んでもらえるのはすごく嬉しい事。例えば釜山の映画祭で韓国人に映画の上映時間（と思われる）を韓国語で尋ねられた時の驚きと喜びは忘れられない。もちろん質問には答えられなかったが。よって、明らかに日本人として他者と区別できてしまう日本人の集団に反感を覚えるのではないか。ものすごく一人勝手な反感である。私って心が狭いんだろうか。
それから、日本人の集団を見ていると「スキがある」という印象を受ける。日本でスキだらけで歩いたって構わないが、外国では、たとえガイドブック片手に店を探していても地下鉄の路線図を前に途方にくれていても、何をしていてももうちょっとアンテナを敏感に立てていないといけないのでは。ひったくりにあいにくいから、というのがカバンを斜めがけにする理由のひとつかもしれないが、スキありの状態で斜めがけにしたところで・・・と思う。素人の私でさえ「スキあり」と思うのだから、プロ（この場合、窃盗犯など）には絶好のカモに見えてしまうのではないか。そういえば、ロンドン市内で日本人がスリ被害に頻繁に遭う場所が、ピカデリーの高級和菓子屋「源吉兆庵」前なのだそうだ。きれいで繊細な和菓子の飾りつけは目をひくし、瞬間日本に戻った気がするのは確か。それにこの店は品物の値段が相当高いので、そこに出入りする人は金持ちと見られるのではないか。でも、場所は新宿東口のような繁華街の真ん中、一瞬のスキをついて狙われやすい場所なんだと思う。ぜひ気をつけましょう。

そんな私も偉そうなことを言うわりには大したことない。先日、地下鉄のエスカレーターで若い東洋人3人組を追い越した瞬間、その中のひとりの男性がこちらを見て、韓国語で「日本人」と言ったのが聞こえた。「日本人のキレーな姉ちゃんだ」だったかもしれないし（ないない）、「歴史を反省しない日本人だ」だったかもしれない。理解できたのは「日本人」という言葉だけ。でも、一瞬通り過ぎただけの私が日本人であることを言い当てたのは間違いないようだ。あーあ。なんでわかるんでしょうね。

☆写真はHorse chestnutの花。これもKew Gardenで間近で見ることができたので撮りました。４〜６月、大きくこんもり茂った木にいっぱい、藤の花を逆さにしたような白やピンクの花が満開になる。でも間近で見ると小さな蘭をたくさん集めたようにあでやかである。Chestnut＝栗ということで、たしかに花の終わった今では小さいイガイガができている。