復旧したピカデリーライン

Picadilly Line

7.7の爆発からちょうど4週間目のこの木曜、ピカデリーラインが全面開通した。
オフィスそばのラッセル・スクエアとひとつ北のキングスクロスの間で、北から南に向かっていた電車の車両が爆発した。最初の2週間は現場検証が続き、それが終わってからの2週間はものすごいペースの突貫工事で全面開通にこぎつけたと聞く。
この1ヶ月は迂回通勤を余儀なくされて不便この上なかった。バスを乗り継いでも他の地下鉄を使っても、テロ以降ひどくなったといわれる交通渋滞あり、電車の不審物騒ぎで運休あり、故障あり(前と変わらないだけなのだが)で、とにかく時間が読めない。毎日通勤時間が変わる。
でもいざ開通した電車に乗る時、想像以上に緊張している自分に気がついた。朝、1月ぶりで家の近くの駅からピカデリーラインに乗る。ラッセルスクエアが近くなるにつれ、緊張が高まる。
なぜ緊張しているのか考えた。別にまた同じ場所で爆発が起きるとは思っていない。ひとつには、工事をしたとはいえ、爆発の影響で、古い年代もののトンネルの壁が脆くなっていること。そのせいで事件直後の救出作業もイライラするくらい時間がかかった。別に急いで4週間目に合わせなくていいから、今後は絶対安全であると信頼できるようにじっくり直してほしかった。なのに、こういう時のイギリス人はやたらとこだわる。
それと、もっと本能的に感じる違和感がある。私は霊能者ではないが、でも何かマイナスの「気」がラッセルスクエア駅の構内にある。数日前は、あまりにもその「気」が強くて、駅の並びのサンドイッチ屋に行こうとしたものの怖くて途中で引き返したほど。
だから、復旧した今は、できるだけ乗らないようにしたいと思うようになった。

☆写真は金曜の朝に乗ったピカデリーラインの車内。前を走る電車との間隔が狭かったせいか、車内はガランガラン、乗客がほとんどいない。これ自体は時折発生することだが、朝なのにこうも人がいないと、なんとなく不気味だ。どこの駅に止っても、普段はホームにあるはずの雑踏がほとんどなくて静かだった。みんなまだ警戒して乗らないのかなと思う。