ウィーン出張

Zacher Torte

先週、ウィーンに出張した。ヨーロッパにある日本大使館総領事館で広報文化事業を担当している人たちが集まる会議に出席するためである。
日頃外務省と一緒に仕事をすることの多い基金からも、ヨーロッパ域内にある各事務所の担当者と、この4月に就任されたばかりの部長も東京から参加。
オーストリアの地を踏むのは生まれて初めてだった。ロンドンからは飛行機で2時間半。3時間あればヨーロッパのほとんどの国に行ける。東京から沖縄に行くより短い時間で色々な国に行けてしまうことが私などにとっては感慨深いが、大陸の人の潜在意識に織り込まれているであろう、「外国は地続きですぐそこにある」という肌感覚は、外国とは海を越えて行くものである日本人にとっては、すぐに会得することのできないものだと思う。
2日間、朝から夕方までびっちり会議だった。だから観光なんてまったくできなかったけれど、それでも会議はとても勉強になったし、日頃なかなか話す機会のなかった人たちとも話せたし、充実した時間だった。
1日目夜の懇親会(当然、割り勘)では、名物のホイリゲに行って、素朴でおいしいお料理をいただきながら、初対面の外務省の方々のお話しを聞けて楽しかったし、その後は基金の関係者だけで連れ立って、市内をそぞろ歩きながらかの有名なホテル・ザッハーへ行くことができた。そしてカフェではお約束のザッハー・トルテ。久々に会う身内だけの集まりだったからだろうか、このカフェでの時間はホッと安心するひと時だった。
ウィーンの大使館に出向している同僚は、元気で頑張っている様子だった。そう、日頃別々の土地で、みんなそれぞれ頑張っているということが伝わってきて、励みになる2日間だった。
ウィーンは町並みがきれいだ。それに道幅は広すぎず、町の大きさも巨大ではなく、身の丈にあったサイズ、という印象。人口密度も高くないような気がする。というより、そもそもあまり人間と行き当たらない感じだった。ロンドンや東京が人が多いだけなのかもしれない。今度はぜひ観光で行って、素晴らしい美術館の数々を巡ったりオペラを鑑賞したりできればと思う。

☆写真は The ザッハー・トルテ!人もまばらな深夜のカフェで、大の大人6人が全員、ザッハー・トルテ&クリームをつついていたわけです。
ちなみに、おみやげに買って帰ったザッハー・トルテをオフィスで切りわけたら、上のチョコレートアイシングの部分にひびが入ってしまいました。ナイフを暖めながら切るべきだったのでしょうか。カフェで出てきた私の一切れは、ぴっかぴかに輝いていました。何気ない所にも長年の技が活きているんだなぁと、オフィスのキッチンでひとり感心していました。