エリザベス女王のお誕生祝い、佐藤琢磨の英語

夜、日本で仕事を通じて知り合ったマレーシア人のAnn LeeとClaphamクラッパムで晩ごはんを食べた。彼女は去年からオックスフォードの大学院に通っていて、ロンドンに出てきた時は弟さんが住むクラッパムにいる。今月には帰国してしまうけれど、最後に会えてよかった。インド料理を食べながら、彼女と出会うきっかけとなった、基金国際文化会館の共催プログラムhttp://gw2.i-house.or.jp/alfp/alfp_j/index_j.htmlについて、相当つっこんで話をした。とても楽しかった。

昨日と今日、テレビで見て面白かったこと。
昨日はエリザベス女王のお誕生を祝う衛兵謁見のセレモニーがあり、テレビ中継されていた。たまたまテレビをつけたらその後半に入ったところだったらしい。衛兵Royal Guardといえば、バッキンガム宮殿前などに直立不動で起立していて、黒いけむくじゃらの高い帽子に赤いジャケットで一目でそれとわかる、イギリスのシンボルのひとつと言ってもいいだろう。その衛兵がたくさん、音楽隊の音楽にあわせてたくさん行進している。
そもそもこんなにたくさんの人数がいたとは知らなんだ。ざっと見て500人くらいはいるのではないか。バッキンガム宮殿の衛兵交代に出てくるのはせいぜい20人くらいだろうか。他の人たちは普段どこにいるのだろう。
単にまっすぐ進む行進だけではない、複雑な隊列行進を一糸乱れずこなしている。ほとんどマスゲーム状態。こんなことができるイギリス人もいるんだ!と感心。
学校の校庭で言うなら校長先生が話す演台の位置に女王とフィリップ殿下が位置している。女王は水色のスーツに同じ色のお帽子。フィリップ殿下は、なんと衛兵と同じ服装だ。あの帽子もかぶっている。面白い。
めずらしくてそのまま見ていると、今度は騎馬隊が登場。騎馬隊の馬は全部濃い栗毛(というのでしょうか)、白や薄茶は入れないのだそうだ。それにも増して珍しいのは、兵隊さんたちの格好だ。中世からやってきたかのような、頭まですっぽり隠れる鎧兜(上半身のみ)姿あり、持っている武器が槍やピッカピカに輝く斧だったり。
続いて騎馬の音楽隊が出てきた。徒歩の音楽隊とは別なようだ。普通より一回り大きい馬が2頭、大きな銀製の太鼓(かなり重いらしい)を2つずつと奏者を乗せて先頭を行く。この2頭だけは白と灰のまだら模様。
馬に乗り、馬を操りながら楽器を演奏するのはさぞかし難しいだろうと思う。ほとんど手は使えないから、足だけで指示を与えなければならない。それでも隊列が乱れることはない。すごい。その上、1周は並足(普通に歩かせる)で回ったと思ったら、2周目は早足で進む。早足はタッタッタッタと走る馬の上でずっと座っていなければならない、実は難しい乗り方である。足の筋力が求められる。やぁ、すごい。
色々なバージョンの行進が終わり、締めくくりの敬礼と国歌斉唱。そして退場となるが、馬に乗って号令をかける兵隊さんの、その馬が、号令にあわせて口をパクパク動かしていたのが、馬が自分で号令をかけているかのようで面白かった。

今日の夕方は、たまたまテレビをつけたらF1の番組をやっていた。ちょうど出場停止処分から一転、堂々の復活を果たした(んでしょうか?番組を見る限りそういう文脈でした)BARホンダのことを取り上げていて、そこで初めて、佐藤琢磨さんが英語でインタビューに答えている姿を見た。イギリス滞在歴は短くないことは何となく知っていたけれど、こんなによどみなく、イギリス英語っぽい英語を話されるとは知らなかった。中田英寿選手のイタリア語もそうだけど、必要に迫られたたき上げで身につけた(と想像する)言葉には、ある種の迫力が宿っていると思う。