Le Manoir aux Quat’ Saisonsへ行きました

Manoir前

オックスフォードの近くにあるマナーハウス、Le Manoir aux Quat' Saisonsへランチをしに友人と出かけた。マーブルアーチからオックスフォード行きの高速バスに乗り1時間強。オックスフォード市内のハイストリートからタクシーに乗り換えて、田舎の村といった風情の細い道を辿ると、こじんまりとした佇まいの小さなお屋敷のような所に到着した。
宿泊はとても私たちの手が届く価格ではないので、ランチだけ楽しみに出かけたこの場所は、Raymond Blancというシェフが作った、最高の宿泊と最高の食事を、閑静な自然と庭園の中でゆったりと楽しむというコンセプトの場所である。
お食事の前に、暖炉が仄かに暖かく燃えているリビングルームのようなお部屋で食前酒をいただく。さりげなくプチフールのようなオードブルがサーブされる。しばらくして、フランスの田舎風のテイストを取り入れた内装の食堂に通される。スターターにクレソンとわさびのスープ、前菜、メイン、デザートに、自家製のパンを、豊富なワインリストの中からソムリエに選んでもらった赤ワインを味わいながらいただいた。濃すぎず繊細な味付けといい、(この国にしては比較的少なめな)程よい量といい、素晴らしいの一言につきる。ここまで日本人好みと思われるお料理をイギリスで食したのは初めてと言っても過言ではないくらい。ぜひ日本人の皆さんにお奨めしたい。もちろんサービスも万全。ここといい、以前行ったClevedenといい、なぜかフランス人のスタッフが多いようだ。
程よい量とはいえ、友人と私にとっては、食事が終わる頃にはもうお腹がキツキツだったが、周りのイギリス人たちはパンを2個3個とおかわりしていた。もちろん美味しいパンなのでできることならばいただきたかったが、お料理の量はイギリス人にとっては少し物足りないのかもしれない。
食後のコーヒーはさきほどのリビングで。これもまたチョコレートのおつまみとともにサーブされる。ワインの酔いも回ってきたし、このままやわらかなソファに埋もれてお昼寝したぁい・・・という誘惑になんとか打ち勝って、宿泊用の部屋を見せてもらうことに。本当は泊まることはないと思うけれど、見るだけなら。部屋にはひとつずつ花の名前がついていて、鍵にはその花の絵が描かれたプレートがついている。箱根の富士屋ホテルの鍵を4分の1くらいに小さくした感じだ。そして部屋自体もひとつひとつがまったく異なる内装と色遣いだった。見せてもらった部屋のひとつは、部屋の中にある螺旋階段をあがると、上にはゴージャスなバスタブがふたつ並んで置いてあるという、ロマンチックな空間になっていた。
お天気が良かったので、庭に出してある白いテーブルと椅子でアフタヌーンティーをいただくのも素敵そうだ。きれいに手入れされた庭園があり、池があり、いちばん奥には日本式庭園とお茶室・風月庵がある。お茶室の障子は開け放たれたままになっていて、中の畳がボロボロになっていたのが残念だったが、なんちゃってジャパニーズではない、建物の造りはきちんとしたお茶室であり、植え込みも池の配置も、本格的な日本庭園の雰囲気を醸し出していた。ちなみにその庭園の を寄贈したのが、何代か前の駐英大使で国際交流基金の前理事長、藤井宏昭大使であることを、立て看板を読んで知った。こんなところでお名前を目にするとは。
またここでは自家製野菜もたくさん作っていてお料理に使っている。中でもアーティチョークの実がなっているのを初めて見たのは面白かった。実のかたちからしてそういえばそうかもしれないと後で思ったが、パイナップルの木と少し似ていた。
それにしても、空は青く、緑は優しくも鮮やか、イギリスの春はなんて美しいのだろうと思う。晴れてさえいれば、だけれど。こんな天気がずっと続いてほしい。
Le Manoirのウェブサイトはこちら→Belmond Le Manoir Aux Quat’Saisons | Raymond Blanc, Oxford Hotels
☆写真はLe Manoirの正面玄関。