UK Film Council

Bailey’s Hotel pillar

東京で映像関係の部署にいた頃、もうかれこれ7〜8年も前であるが、その頃からおつきあいのあった前澤さんとロンドンで再会。彼は現在、全国フィルム・コミッション連絡協議会の企画委員長として、日本のフィルム・コミッションのシステムに対する提言をまとめるために、英米を調査出張中である。今日は標題の団体を訪問する予定である彼にお願いして、同行させてもらった。先方は国際部門担当のシニア・エクゼクティブのSarah McKenzieさん。バーミンガムBirminghamの映画祭のディレクターを務めた実績もあり、映画界経験は長そうな女性である。
http://www.film-com.jp/index.html
http://www.ukfilmcouncil.org.uk
以前から、日本におけるフィルム・コミッション(FC)の普及については特に前澤さんを通じて色々伺ってきたが、日本には現在72のFCがあるとのこと。たしか6〜7年前は本当に数ヶ所しかなかったように思うのだが、それだけFCが広まってきたということで評価されるべきではあると思う。しかし、日本の状況の5年先を行くと言われているイギリスでは、2003年、それまで全国に散在していたFCを抜本的に整理し、UK Film Councilをまとめ役とする一大フィルム・コミッション・ネットワークを立ち上げた。いかに困難な作業であったかは容易に想像がつくが、その結果としてイギリスに以前よりも多くロケが来ているというのだから、痛みは伴えど成功に向けた改革であったといえるだろう。その例が日本にとっても参考になればいいのだが。また日本映画の海外紹介に携わる団体が複数あってバラバラに活動している今の状況を、かねてから何とか変えることはできないものかと思っていた。いわば映画の総合デパート(どこかで聞いたようなフレーズ・・・?)が、省庁の所管という垣根を超えて作ることができれば、もっと無駄が減るのになと思う。そんなことも思い出した。
前澤さんは4月から大学の助教授の仕事も始められるという。いつお会いしてもパワフルで、人生を楽しもうとなさっている方だなあと思う。

今日の写真は、前澤さんが投宿されているホテル、Bailey's Hotelで撮影したもの。昔のお屋敷を思わせる落ち着いた内装の、なかなか素敵なホテルである。階段の柵の所々に小さいプレートが取り付けられていて、濃い茶色の下地に映える白いペイントで1枚ずつ手書きの草花が描かれているという凝った装飾なのだが、なぜか1枚、いちばん下の柱の1本だけは、カタツムリだった。意外で面白かったのでパチリ。
このホテルのスタッフは親切だった。その上Glocester Road駅出口から徒歩30秒とあってヒースローに行くにも手頃な場所だ。部屋の中は見ていないが、けっこうお勧めなホテルである。