桜発見

on Glocester Rd

一昨日まで14日連続で雪が降ったロンドン。午前中までうっすら雪が残っていた日が1日だけあったが、降ったそばから消えてしまってばかりだった。時折あられになったりもした。
寒さが続いているが、春は確実に近づいている。昨日スローン・ストリートSloane Stを歩いていたら、途中にあるカドガン・ガーデンCadogan Garden(うらやましいことに近隣の人だけが立ち入ることを許されるプライベート・ガーデン。ロンドンにはこういうガーデンがけっこうある)に、薄紫色のつぼみをつけたクロッカスや水仙の黄色いつぼみがたくさん広がっているのを見て、そう思った。どちらも、イングランドでは春を告げる花であるようだ。
また今日は、グロースター・ロードGloucester Road駅の方まで行く用事があったのだが、駅前の通りをほんの100メートルほど下ったところにある家の前庭に、桜の木があって花をつけているのを発見した。東京の桜の時期、茶色と灰色の町並みの中に桜色のかたまりが所々にほわっとのぞいている光景がたまらなく好きであるが、今日もまさにそのような感じで目に飛び込んできた。木の下まで行ってみると、心なしか花が大振りであったが、やはり桜だと思う。今日の写真はその桜の木です。
春を告げる花といえば、先週、サウス・ケンジントンSouth Kensington駅前の花屋で『50本15ポンド』で売られているチューリップを購入した。1本30ペンス(60円)、この国のしかもロンドンのこのエリアとしてはかなりお値打ちであると思うが、いかがだろうか。質の良くないものを投売りしているのかとも疑ったが、全くそんなことはなくきれいに咲いてくれた。そういえばコロンビア・ロードで毎日曜に開催される園芸市にも一度行ってみたいと思っている。
もうひとつ植物ネタ。最近の私の関心事は、自宅のニンジンである。ニンジン?そう、やってしまったのである。冷蔵庫に入っていたニンジンが発芽。慌ててニンジンスープを作ったけれど、芽の部分は、ニンジンが生命の力を発散させているかのように思えて捨ててしまうのが惜しくなった。これが庭のある自宅だったら丸ごと埋めて成長を楽しむところであるが(私は幼い頃から「種を土に蒔いたら芽が出る」のを見るのが好きだった。ドングリや柿やスイカ、身近にある種を花壇に埋めては母に呆れられていたものだ)、今はしがないアパート住まい、ニンジンの身の部分を1センチほどつけて切り離し、水につけて台所の窓辺に置いた。何が面白かったかというと、冷蔵庫の中で日光を受けずに出てきた薄い緑、というよりは黄色に近かった芽が、1日、また1日と濃い緑へと変化してゆくところ。しかも袋に遮られて不恰好に斜めに伸びていた茎が、だんだんしっかりまっすぐにお日様を向くようになっていった。自然の力に感心。今はもうまったりと濃い緑の葉になり、新しい芽も出てきている。あとはこの成長をどこまで見守れるかである。