チョコなんて間違ってもあげちゃダメですよ! −日英文化比較

今日は言わずもがなのバレンタインデーである。1週間前の日本では、街中のどの店もバレンタイン商戦に向けて準備万端!という意気込みが感じられた。しかし、我々日本人も薄々気づいているとおり、バレンタインを祝う本来の意義は、別に女の子が男の子に告白する日ではない。
例えばアメリカでバレンタインと言ったら、男女の別を問わず、日頃お世話になっている人や友人に「いつもありがとね」といった比較的軽い感覚でカードや飴を送っていたと記憶している(今は違っていたら教えてください)。
ではここイギリスではどうか。同僚のTさんに尋ねてみた。すると、イギリスにおけるバレンタインとは、ラブラブなカップルや夫婦のみが祝うものだという。よって職場にいる男性に、ただ男性というだけで義理チョコを送るような日本の風習も存在しない。だから日本の文化や風習をよほど熟知している人でない限り大きな誤解のもととなるのだから、チョコなんて間違ってもそのへんの男性にあげちゃダメですよ!というのがTさんの指導である。
例えば私が日頃お世話になっている取引先の担当者男性にチョコを差し上げたとしよう。すると担当者は「これは一体どうしたことか!!! この人は、僕のことを愛していたのか!!!???」と思い悩むことになる。既婚者であれば尚更のこと悩みが深くなる(おそらく)。
しかしこれは意外に便利かも。毎年2月になる度に、義理チョコが頭の片隅に占めることもなくなり、父親がいただいて帰ったチョコの味見だの、プレゼントチョコの手作りだのにとらわれることもなくなる。手作りは楽しくて好きなのだが、直前になって素材を探しに行くと売り切れだったりして、どうも何かに踊らされている感覚が残るのが年を経るほどイヤになってきた。
ちなみにイギリスにおけるバレンタインの祝い方は、男性がパートナーの女性に対してプレゼントをしたり、ディナーをご馳走したりするのだそうだ。プレゼントは、花束(特に赤いバラ)やお菓子が一般的だそう。女性はなーんにもしなくって至れりつくせりを楽しめば良いわけである。うらやましいぞイギリス女性。