akiko_uk2007-09-20

今日はカーディフに来ています。カーディフブリテン島の西端のウェールズ地方の首都。我々が通常言う「イギリス」という国は、イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドの4つの地域から構成されていて、サッカーやラグビーをお好きな方ならご存知だと思いますが、ワールドカップなどではそれぞれが独立した「国」の扱い、独自のチームを出場させています。(2002年の日韓ワールドカップベッカム様が率いていたのはイングランドチーム。「イギリス」チームではありません。)
どうして英国の地方だけがそんな特例が認められるのか?不思議に思いますが、サッカーとラグビーの発祥地の特権なのでしょうか?イングランド以外は昔々に併合された独立国であったから、経済上も政治上も英国の一部になってはいるものの、地元民は自らの「元・独立国」としてのアイデンティティに誇りを持っているようです。ウェールズの場合はそれが比較的わかりやすく、駅や道路の標識からホテルの部屋の案内まで、英語とウェールズ語が併記されています。学校でもウェールズ語の学習が必修のようです。英国の地方語の中では最も「生きた」言葉であり、実際に人々は日常的に使っている、と聞きました。

さて、カーディフに来たのは、今日の『ラグビーワールドカップ予選・ウェールズ対日本戦』という日にあわせて、日本関係のイベントがいくつか実施されており、そのひとつに出席するためです。念を押しておきますが出張です。
私は午後にミレニアム・センターで行われた「Japan Room」という、日系企業がスポンサーになっている多目的ホールのリニューアルオープンの式典に出席しました。けっこうシンプルで明るい部屋に、ウェールズ地方の風景を描いた横長の水墨画が新たに飾られています。この絵の画家の方もお越しでした。
         ミレニアム・センターの外観→
ミレニアム・センターはカーディフ湾沿いの再開発地区に2004年にオープンしたとても大きくて立派でユニークな文化施設です。ウェールズ語と英語で書かれたメッセージが非常に印象的です。このエリアは他にも新しくて大きな建物があり、建設現場がまだあちこちにあって、これからもっともっときれいで活気ある場所になりそうです。
その後、同じく出張されていたJNTOのスタッフとパブで軽く食事をしました。この時6時台ですが、すでにウェールズの赤いシャツを着たりマフラーを首にかけた老若男女が町にあふれています。だんだん盛り上がっている雰囲気にこちらまでワクワクしてきます。みんながみんなウェールズの応援なのかと思いきや、日の丸を持った外国人もちらほら。写真を取らせてもらうついでに、控えめにと「イェー!」こぶしを上げてみたら、ちゃんと「イェ〜〜〜!」と反応してくれました(その写真がこちらです↓)。どうもニュージーランド人らしいです。監督のファンということでしょうか。日本人以外の方々に応援してもらえるのって、なんかありがたいですよね
そうなんです、私も試合を観戦する機会に恵まれました!しかもなかなか良い席です。ちょうどセンターラインの延長線上、選手の出入り口の上でした。
お客さんの入りは、ざっと見て7割くらいかな・・・と思ったら、4万4千人くらいだったそうです。さすが地元、けっこうすごいですよね。ウェールズは、サッカーよりもラグビーの人気が高いらしいです。
私の周囲は比較的日本人が多くて、中には日の丸を身に纏い、白いカツラに赤い○を塗った人(男性)がけっこう目立っているようでした。また私のお隣は、日本からいらしたラグビー協会のお方でした。見るからに元ラガーマンという感じの男性で、試合中のコメントがけっこう勉強になりました(実際には私ではなく向こう隣の連れの方に解説されていたのが耳に入ってきただけなのですが)。また彼の応援が私にとっては未知の言葉もあり、それによってどういう反応をすべきか推測できるのも勉強になりました。ラグビーは子供の頃からけっこう見ていましたが、実はきちんとルールを知らない私でした。
日本チームはペナルティキックで先制の3点を取りましたし、スカッとするようなゴールもいくつかあって盛り上がりましたが、どうもやっぱりウェールズのほうがうわてなんですよね。体格的、体力的にも、作戦や連携プレーの完成度も。あと、パスのキレもなんか段違いに良いよなぁという感じ。日本だって良い所があるはずなのに、まだちゃんと「開花」していない感じがしました。そう、ポテンシャルはまだまだあるはず。あとは練習なのかしら。お隣のオジサマもコメントしていましたが、スクラムからボールを出すのが日本はどういうわけかけっこう遅い。だから相手にディフェンスの準備をする余裕を与えてしまう。これは素人の私でも見ててわかりました。
結果、72対18.もうちょっと差が少ないままいくかなーと思ったのですが、後半は特に相手のペースになってしまっていましたね・・・。

←試合終了後のインタビュー。どちらもテレビ用で場内には流れませんでした。
なお、今回初めて日本チームのメンバーの顔ぶれを目にしましたが、けっこう外国人もいるんですね。最後の方で登場したひとりは、全日本初の韓国人選手とのことでした(お隣のオジサマ情報)。
でも選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。頑張る姿は、きちんとイギリスの人々にも評価されていましたよ。

試合が終わって出口に向かって歩いていたら、すれちがったおっちゃんに「よくがんばったよ(well done)!」と肩をたたかれました。
・・・あ、ありがとうございます・・・・。
試合終了後の町も至って平和。私が泊まったホテルはスタジアムのすぐ近くだったので「こりゃうるさくて寝れないかも」と心配していたのですが、平日のせいもあるのか、わりと早くに静かになりました。