今晩、BFIで開催中の成瀬巳喜男監督特集の1本、『放浪記』を見てきました。
お客さんは200人収容の会場の半分以上。想像していたより入ってるじゃん、と思ったのですが、もっと大きい450人収容の会場で8割入るらしいですから、少ない方だったのですね。日本人は数えるほど、若い人も数えるほど。ほとんどが年配のイギリス人でした。なんでなのでしょう!?
を見てきました。
『放浪記』、面白かったです。実は旅行から帰ってきてそのまま直行したので、眠くなるだろうと思っていたのですが、眠くなるヒマもなく140分が過ぎました!
お恥ずかしながら林芙美子さんの原作は読んだことがなかったので、こんなに赤裸々で、貧しさと難しい人間関係の話しの連続だったのかと感嘆。カフェーの女給さんとして働くというのは、現代でいうところのホステスさんなんですね。ひねた視線、ひねた猫背の姿勢の高峰秀子、美人女優さんなのに捨て身の演技がすごいです。誠実で優しいんだけれども異性としての魅力が感じられない男性より、どうしようもないだめんずなのにハンサムで芸術肌の男性を好きになってしまうというのも、なんだか親近感が持てますよね。(え?私だけ?)そうか、林芙美子さんはだめんずうぉ〜か〜だったのか!
その林さんが好きになって、同棲したり結婚もする男性たちを演じるのが、仲谷昇宝田明。もう中年以降の姿しか知らない私にとって、若い頃のおふたりの姿は超オドロキでした!仲谷昇、超ハンサム〜!宝田明に至っては、見ている間全然気づかなかったです。私の知っている姿は、メガネをかけたダンディーなオジサマなのに(ドラマ『白鳥麗子でございます!』のパパがハマリ役)、『放浪記』ではメガネもかけていなくて、痩せていて(途中からはメイクでげっそり度が倍増)、気難しい売れない作家で。他方、菅井きんさんは若い頃も全然変わらない!昔の映画を見ると、そういう面白い発見がありますよね〜。