総領事館に在留届を出し、かつメールアドレスも登録してもらうと、時折安全情報が送られてきます。今日はこんな連絡が入ってきました。

『ケチャップ・スリ(置き引き)に関する注意喚起について

 本25日(木)、ロンドン市内で最近被害が多発しているケチャップ・スリ(置き引き)に関して、日本国外務省より以下のスポット情報が発出されましたので、お知らせいたします。

渡航情報(スポット情報)〜

(件名)英国(ロンドン):ケチャップ・スリ(置き引き)に関する注意喚起

(内容)
1.ロンドン市内では、年間を通じてスリ・置き引きなどの犯罪被害が発生しています。最近、ケチャップなどを意図的に歩行者の衣服に付けられ、荷物から注意が逸れた隙に盗み取られる、いわゆる「ケチャップ・スリ」による被害が多発しています。

2.在ロンドン日本国総領事館の報告によれば、ロンドン中心部のピカデリー・サーカスハロッズのあるナイツブリッジ周辺等のファーストフード店において、この半月の間に5人の日本人が、ケチャップ・スリの被害に遭遇しています。
 これら犯行手口は、犯行グループのひとりが標的にケチャップをつけて汚れを指摘し、歩行者の注意をそらせ、その隙に別の仲間が荷物などを盗み取るものです。

3.つきましては、以下を参考に安全対策を心掛けてください。
(1)荷物をテーブルの上など標的になりやすい場所(目をそらしやすい場所、犯人がひったくりやすい場所)に置かない。
(2)衣服に汚れ等が付着していることを指摘されても、その場で衣服の確認をしたり、荷物を路上に置かずに、速やかに安全な場所に移動する。
(3)荷物から注意が逸れた瞬間が狙われるため、見知らぬ人物に話しかけられても、相手にしないようにする。
(4)多額の現金を持ち歩かないことはもちろん、犯行の標的にならないよう支払時には財布の中身を周囲から見られないようにする。また、人前で安易に現金を見せないようにする。
(5)混雑する時間帯・場所、(周囲に助けを求められないような)単独行動、荷物を一度にたくさん抱えることを避けるようにする。』

だそうです。
ケチャップなどをぶっかけてひるんだりビックリした隙に物を盗る、という手口は以前からあったと思いますが、2週間の間に5人もやられていたとはちょっと尋常ではありません。
今、だんだん卒業旅行の学生さんが増えているみたいですからねぇ。私も通勤途中で「お、朝一でハロッズですか?」と思われる日本人(ほとんどの場合、女性のグループ)を時々見かけます。それだけに「ピカデリー・サーカスハロッズのあるナイツブリッジ周辺等のファーストフード店」が主な現場と聞くと、あら〜、大丈夫かしら〜、と心配になってしまいます。他人事ながら。
だって日本人の女性って見るからに身ぎれいで、身ぎれい=お金持ってそうで、それでいてほぼ例外なくスキがあるんですもの。日本にいる感覚で持ち物を扱ってはいけません。喫茶店でカバンを席に置いてトイレに立ち、戻ってきてもちゃんとカバンがそのままあるのが日本かもしれませんが、ロンドンは一瞬たりとも身体から離してはいけないし、喫茶店で着席する時でも、カバンは口を閉めて、ストラップを背もたれに通して、なおかつ自分が座る椅子の背もたれと自分の身体の間でぎゅっと押さえ込む!そのくらいしないと、盗人に対して「自分は警戒してます」という意思表示にはなりません。

先日も地下鉄の車内で女性2人組が、色々な所で撮影してきたであろうデジカメを取り出して楽しそうに画面に再生して見入っていましたが、「そんな所で高価そうなデジカメを見てたら目ぇつけられますよ!」ってよっぽど声かけようかと思ったくらいです。

ふう。
思わず熱く語ってしまいました。

なぜかっていうとですね・・・
実はお正月のローマで、私もデジカメをすられてしまったんですよ。
しかも、すられた瞬間がいつだったのかすらわからない。
最後に使ってから「ない!」と気付くまで、時間にして5分未満、距離にして100メートル。
唯一、ちょうど携帯電話に出て話をしていた1分くらいが、犯行時間だったのかな、と想像できます。電話に気を取られて最も警戒心が薄れた時だったんでしょう。
普段はこまめにバッグに入れて必ずチャックをしていましたが、その時だけはコートのポケットに入れたような記憶があります(正直言ってはっきり覚えていない)。
そしてその一瞬を逃さなかった。プロですよプロ。

もう、それはそれは激しく落ち込みました。
カメラは買い替えもきくけれど、10日間取りためた写真データを返して!ですよ。

ロンドンに来て、あちこち旅して2年半、今まで一度たりともスリには合わなかったですから。そんな根拠なき自信もどこかにあったんでしょう。

もぅ、だからこそ、デジカメをひらひらさせている人を見かけると心配でしょうがありません。

そして
なお、これからの観光シーズンを迎え、多くの方がロンドンを訪問されることが予想されますが、在英国日本国大使館ホームページや本ホームページの「安全対策基礎データ」等も参考にしてください。
とのことです!外務省の安全情報はあなどれません。これから旅に来られる方、「バカねぇこの人たち。私は大丈夫よ」などと思わずに、目を通しておくだけでも備えになりますよ。