狗年

akiko_uk2006-02-24

水仙を手にして春も近いと和んでいたのに、ロンドンは昨日からとても寒くなり、雪も降りました。全然積もりませんけれど。

朝の通勤時に、ホームの決まった場所から電車に乗りますが、そのスポットの壁側にはいつもポスターが2枚貼ってあります。その時によって、新刊本の宣伝だったり、アイスランド航空(なぜにアイスランド?でも確率高し)の宣伝だったりするのですが、どうしてホームの端の通好みなこの位置を選ぶのか、という疑問はさておき、今貼り出されているポスターは2枚ともLondon Undergroundのものです。東京で言うなら営団地下鉄、じゃなかった、東京メトロの広告ですね。(☆電車に乗る直前に撮った写真がこれです)
このポスター、「Year of the Dogにちなんだ写真を募集中!」という内容で、使われている写真は、プロのカメラマンが撮った、犬とその飼い主家族のポートレートです。これがまた毎日眺めているとだんだん味わい深くなる写真なんです。1枚は、お父さん(黒人)とお母さん(白人)が仲良さそうに寄り添っていて、お父さんが満面の笑みで犬をだっこしている、というものです。お母さんの前には子供がいるのですが、その子より犬のほうが目立っています。犬と子供の位置が逆なのでは?と思うくらいです。でもお母さんのちょっとはにかんだ笑みといい、なんだかとても惹かれる写真です。もう1枚は、ちょっとこわもてのストリート系お兄さん3人が飼い犬2匹と一緒にいる写真です。お兄さんたちの表情はクールなのですが、でも犬飼ってるんだ、という対比が面白いと思います。
さて、Year of the Dog=もちろん今年は戌年、ということなのですが、誰がこんなことを仕掛けているのか(去年はこんなことしていなかったはず)と思ったら、なんと今年は
China in London
を祝う年なのだそうです。
日本でも、日本におけるイギリス年やフランス年、ドイツ年などがあり、コンサートからデパートの物産展まで、その国にちなんだ様々なイベントが年間を通じて開催されます。イギリスでも1981年、1991年、2001年は英国における日本年でした。
China in Londonもそれと同じ類のものでしょう。よくよく調べると、期間は1年ではなく、旧正月の1月26日から3月末までということです。でも、ロンドン市とこんなに大々的にタイアップできるなんて、相当すごい芸当だと思わずにはいられません。大変な意気込みです。ウェブサイトも気合入りまくりです。もっとも、両方ともロンドン市が作っているサイトで、中国側は誰が協力しているのかははっきりしません。
http://www.london.gov.uk/mayor/culture/china/index.jsp
Welcome to London - visitlondon.com
イギリスにおける中国と日本のいちばん大きな違いは、コミュニティの性格だと思います。中国は、18世紀末以降この地にやってきた移民によって形成され根付いたコミュニティがあります。イギリスは欧州最大の在留邦人数を抱えるものの、ビジネスや学業による結びつきが主流であっていずれ日本に帰国する人が多いのが特徴といえましょうか。そのへんの違いが、ロンドン市の姿勢にも表れるのでしょうか。通りすがりの人より、自分の国の市民のほうが優先とでも言いましょうか。