フランスを旅行してきました 3

赤じゅうたん

旅行3日目、15日。
これまた美味しい朝食をホテルでいただいた後、玄関でオーナーのおじさんと記念撮影してからボーヌ駅へ。今日はここからカンヌへ移動だ。
リヨンでTGVに乗り換えて1本。ただしボーヌで購入したのが空いた席がある時だけ座れるというチケットだったようで、結局3時間もの間ずっと食堂車のベンチに座って過ごした。
途中、サッカー少年の一群が乗ってきた。暫くして彼らの何人かが食堂に買い物に来た。東洋人がめずらしいお年頃なのか、ひとりが話しかけてきて、ふたりが寄ってきて、結局彼らは1時間以上も私達の周りで騒いでいた。片言の英語とフランス語で、彼らがどこかで試合をしてきたようだとわかる。みんな顔立ちはとってもかわいい。今押さえておけば将来超カッコイイサッカー選手に成長してくれるかも・・・と一瞬思った。
が、しかし。まとわりついてくる3,4人は非常に行儀が悪い。ガキっぽい。子供だから当たり前なのかもしれないが。よくわかってないくせに下ネタ大好き。まあこの年頃によくあるませガキって奴らなのだと思うが、だんだんうざくなってきた。
でも私がロンドンに住んでいると言うと、みんな口をそろえて「マンチェスターユナイテッド!」と言う。すかさず「チェルシー」(地元だし、今年は強いので)と親指をグッと立てて返すと、ひとりの子が「○○?」「△△?」「□□?」と何人もの選手の名前を聞いてきた。○△□でおわかりのとおり、私はそんなに詳しくないし、彼のフランス風の発音と相まって余計にわからない。適当に相槌を打っておいた。
すぐ横の車両には台湾人と思われる女の子6人のグループが座っていた。彼女たちにもちょっかいを出していたが、ひとりはあからさまに嫌悪の表情でぶすっとしていたせいか、また私達のところに戻ってくる。私達だって愛想よくしてたわけではないのだが。
さて、午後3時半頃カンヌ駅に無事到着。測ったかのように映画の買い付けの仕事で現地入りしている私達の大学の同期から電話が入る。彼が今晩の映画祭のソワレ(夜の上映)のチケットを取ってくれたのだ。
そう、カンヌは映画祭の最中。3人で正装して赤じゅうたんの上で写真を撮ろう!というのがこの旅の目標のひとつだ。
隣町のホテルにチェックインし、すぐさまこの旅でただ一度のドレスアップに取りかかる。なんてったって、もしかしたら素敵なスターに見初められるかもしれないのだ(ありえない)。相談したわけではないが、ふたりとも黒のロングドレス。
カンヌの赤じゅうたんは、道路端から上映会場となるLumiereの階段のふもとまで20メートルほどまっすぐ伸び、そこからはけっこう急な階段の上まで続いている。ただしそのスタート地点から踏んで行けるのは、上映作品に直接かかわりのある人々〜俳優、製作会社、配給会社、特別なゲスト〜だけだ。私達を含めた多くの人は、階段のふもとから赤じゅうたんに入る横口から入るようになっていた。6年くらい前に来た時は普通に平地から入れたと思うのだが、システムが変わったのかも?それとも私達が映画祭のIDを持っていなかったからだろうか。
ともかく、赤じゅうたんへ合流し階段を登る時はなかなか緊張するものだ。びしっと起立した警備員が並ぶ横をゆっくりと(けっこう混雑しているので)上がる。階段の上には中継カメラがあり、登ってくる人々を映している。この映像は会場内に入ると上映までの間スクリーンにも映される。
作品は『Merry Chrismas』という多国籍映画。日本ヘラルドも出資している。友人はそのヘラルドでこの作品を担当していることから、このように特別なはからいでチケットを取ってくれたのだ。
《続きは次回》