ロンドン市長選挙

akiko_uk2008-04-22

☆今日の写真は、お昼時の職場前にあるラッセル・スクエア公園のカフェ、大繁盛中。昨日からだいぶ春らしい暖かさが戻ってきたロンドンですが、今日は太陽もだいぶ出てました。そうするととたんに公園の人口が増加します。芝生で寝転ぶ人も続出。今日の最高気温は16度くらいだったみたいです。


ただいまロンドンでは、ロンドン市長選挙(及びロンドン市議会議員選挙)の終盤戦に入っています。
このブログを書きながらつけている民放(itv)テレビでは、ロンドン市長候補者に対する公開質疑応答を放映しています。
交通事情、犯罪、住宅事情、などなど様々なテーマごとに、会場の聴衆から質問が出て、それに候補者が答えるのですが、それぞれの候補の支持者もちゃんといて、ひとつひとつの回答に拍手をしたり、ブーイングを送ったり。
見ていて非常に面白いのは、質問する側も答える側も、議論に参加することになれていて、予定調和ではない展開があることです。さすが英国。このへんはBBCで毎週放送している公開討論番組とも通じるものがあります。
今回テレビに登場した候補者は、現役市長のケン・リビングストン(労働党)、ジャーナリストだが問題発言も多い(というイメージが強い)ボリス・ジョンソン(保守党/ボサボサの金髪とでっかいたれ目が印象的)、ロンドン市警たたき上げのブライアン・パディック(自由民主党/他の2人に比べるとインパクトが薄いように見せかけて実はズバッと言うこと言う、ちょっとイケメンなおじさん)。
それにしても3人の候補者は相当に口が達者。再選を目指す現役市長のケンの政策や実績に対しても、他の2人が容赦なく批判をしていくのも小気味良いのです。日頃、彼のやることなすことに反感を感じることが多いけれど選挙権を持たない、という私のような人間にとっても、聞いていて面白いのです。
私に言わせれば(と偉そうですが)、市長ケンの最大の過ちは、ロンドンにオリンピックをを誘致したことだと思います。もちろんこのことを前向きに盛り上がっている人もいるとは思いますが、いっこうに改善されない公共交通網のままで世界中から人を受け入れちゃって良いのか(五輪にかけるお金を地下鉄網の改修に充てれば、相当違いが出るはず)、当初の見積額から膨らむ一方の経費をまかなうためにロンドン市民に増税というかたちで負担を課して良いのか(誰も「税金が増えても構わないから五輪をロンドンに持ってきて!」だなんて頼んでないでしょう)。

ちょっと候補者について見てみようと思ったら、ちゃんと選挙用ウェブサイトがあります。ロンドンの選挙管理委員会専用サイト、というところでしょうか。→London Elects | Your London. Your vote.
日本では確か、立候補した人は選挙期間中に自分のウェブサイトを更新できないようになっていたと思いますが、こちらはどうもそんな決まりはないようで、この選挙サイトから各候補者のサイトへリンクも張られていますし、候補者のサイト上では「今日の活動報告」みたいなアップデートもバリバリされているようです。YouTubeも駆使されてるみたいですね。
また、このLondon Elects上の候補者紹介ページを見て今更驚いたのは、話題の中心になりがちな主要候補者3人を含め、実は全部で10人も立候補していることです。こんなにいたんだなぁ。それが普通なのかもしれないけれど。そういえば日本でもそうですものね。全然聞いたことがない政党の候補者とかがいたりして。
投票日は5月1日(木)。イギリスは平日なんですけど、投票時間は午前7時から午後10時までだそうで、これなら働いている人でも投票できそうですね。
London Elects、デザインもなかなかシャレてますし、投票会場の一発検索機能はついていますし、『How to 投票』も、選挙人登録確認から当日の投票まで段階を追って、写真を使ってとてもわかりやすく説明していますし、なんかお役所的野暮ったさが全然ないんですよねぇ。あと、多国籍都市ロンドンらしく、英語以外に20もの言語から表示を選択できるようになっています。・・・20ってすごくないですか。
ちなみにロンドン市(都心部及び郊外の両方をあわせて)の人口は約740万人と言われていますが、統計によれば10人に3人は外国籍、話されている言語は300種以上、なんだそうです。